血圧は大変大切なバイタルサインです。季節や体位によって変動します。これは私たちの棲む地球に重力があり、血液は重力に抗して体全体をめぐらさなければなりません。私たちの身体には実に52兆個もの細胞があり、血液はその一つひとつに栄養と酸素を送り届け、老廃物を除去しています。
全身をくまなく巡る血管や、そこを流れる血液、血液を送るポンプの役割をしている心臓は、すべて血液循環のための器官です。この血液循環がしっかりして、はじめて生きてゆけます。この血液循環をコントロールしているのが自律神経系で、そこに何らかの障害が起きてコントロールがうまくいかない、または、反応しすぎると体位によって血圧が大きく変動して健康に大きな影響が出ます。
◆ 急性低血圧の分類
・ショック症候群
・急性のアレルギー症状
・アルコールによるもの
・人工透析によるもの
◆ 慢性低血圧の分類
・体質性低血圧:低血圧があっても日常生活に支障がない
・病的低血圧 :日常生活に支障のある低血圧
1.本態性低血圧
寝た状態(臥位)、立った状態(立位)といった体位に関係なく、常に低血圧を示して症状のあるもの。
2.起立性低血圧
寝た状態では正常な血圧(収縮期血圧=上の血圧)が、立った状態になると20mmHg以上、低下するもの。原因不詳の特発性起立性低血圧と、何か特定の原因があって二次的に起立性低血圧を発症する症候性起立性低血圧がる。
3.症候性低血圧
疾患があり、その疾患によって低血圧になってしまうもの。例えば、長期間に亘る臥床など。
代表的な症状として、まず疲れやすいこと(易疲労感)があります。
身体がだるい、すぐバテる(スタミナがない)、無理がきかない、疲れるとなかなか回復できない、夏の暑さに弱い、冬の寒さに弱い、暑がりで冷え性、季節の変化に身体がついていかないなどがあります。慢性疲労症候群では多くの方が低血圧です。
また、性欲減退、インポテンツ、低体温、乗り物酔いといった症状もあります。食が細かったり、食べてもなかなか太れず、やせ型、なで肩、内蔵下垂症型の体型をしています。
脳への血液循環が不足して起こる症状としてはめまいです。立ちくらみ(立っていると目の前がボーっとしてくる、急に立つとふらっとくる)、ふらふら感、浮遊感(雲の上を歩いているような感じ)、天井や周囲が回転するような感じ、頭痛、頭重、身体動揺感(身体が揺れているような感じ)、耳鳴り、失神、失神感(血の気が引く感じ)、けいれん、乗物酔い、眼の奥が痛いなどがあります。
心臓へのポンプ機能不足が原因で起こる症状には、動悸、息切れ、ため息、胸の痛み(狭心症とよく間違える)、不整脈、頻脈などがあり、夕方になると下肢のむくみが出たりします。
体位性頻拍症候群(体位を変えると動悸がする)のこともあります。これらの循環器系(特に心臓)の症状は、心臓自体の病気によって起こるのではなく、心臓や血管などをコントロールしている自律神経系の障害によって起きるものです。
呼吸器系への血流不足によって起こる症状には、呼吸困難感、過換気発作・過呼吸症候群(浅い息をハーハーと細かく頻回に行い、四肢がしびれ、倒れることもある)、胸痛(狭心症と間違えるような前胸部痛、時に締めつけられるような痛み)、胸部の不快感、息切れ、ため息、空気飢餓感(挟所恐怖症:エレベーターなど狭いところに入ると息苦しくなる)などがあります。
パニック発作のこともあります。
食欲不振(特に朝)、食が細い、朝食が食べられない、胃がもたれる、朝に腹痛が起こる、便秘しやすい、下痢しやすい、腹が張る(腹満感、腹が重苦しい)、悪心(気分が悪い)、嘔気、嘔吐、偏食(好き嫌いが多い)、胃潰瘍・十二指腸潰瘍をつくりやすい、胃下垂などがあります。喉の閉塞感(咽頭異常感症、ヒステリー球)や過敏性腸症候群を併発することもあります。
線維筋痛症、慢性頭痛(いわゆる頭痛持ち、偏頭痛、筋緊張性頭痛、習慣性頭痛など)、目の奥の痛み、肩凝り、四肢末梢痛、慢性腰痛、四肢の冷え、しもやけ、非定型顔面痛、腰痛、舌痛症、顎関節症、神経ブロック療法がなかなか効果を奏しない痛み、カウザルギア(さわられただけで激烈な痛み)、反射性交感神経性萎縮症などのCRPS(複合性局所疼痛症候群)などの診断・治療の難しい慢性疼痛があります。
痛みを主訴とする線維筋痛症やME/CFS(筋痛性脳症・慢性疲労症候群)の方には低血圧や起立性低血圧が合併していることが多いのが実情です。
眼が疲れやすかったり(眼精疲労)、汗をかきやすくなる、その逆に汗をかきにくくなる場合もあります。汗をかきにくいほうが重症です。
顔色が悪い(青白い)、夜間の排尿回数が多い(3回以上)、インポテンツ(男性)、性欲減退(女性)、排尿時の失神、下肢の静脈瘤などがあります。
よいこともあります。
それは、実年齢よりも若く見えることです。
血圧は年齢とともに上昇しますが、これは年齢とともに動脈硬化が進んだり、心臓の機能が低下したりするからです。また、私たちの身体の細胞は年齢とともに老化してゆきます。そのため、代謝の効率が悪くなってしまいます。代謝を続けるためには、より多くの酸素や栄養を必要とします。しかしながら、子どもの頃から、あるいは若い頃からの低血圧を放置すると、さまざまな余病を発生する場合があります。
【線維筋痛症】
これは全身が痛くなって、ひどい疲労感があり、ついには働けなくなることすらある症状です。
線維筋痛症で悩んでいる方は全国に200万人もいます。
この症状がさらに進行すると、筋痛性脳症/慢性疲労症候群(ME/CFS)という重篤な疾患に
悩むことになります。これは、疼痛、疲労、睡眠障害などさまざまな症状が出ます。
【低血糖】
血糖値が低下すると脳が障害を受け、記憶障害(一時的のことが多い)、認知障害、食後の眠け、ふらつき、めまい、疲労感、発汗、けいれんなどの症状が出たりします。また、甘いものやご飯を食べると、吸収されて、血液中の糖分(グルコース)が上昇します。それが刺激になって、膵臓からインスリンが過剰に分泌され、血糖値を下げ過ぎるため低血糖が起きます。
インスリンは、血液中の糖分を血液から肝臓や筋肉内に移動させ,貯蔵する働きをするホルモンです。このインスリンが不足すると糖尿病になります。
【反応性低血糖】
食事により、血液中の糖分が上昇して膵臓から出るインスリンが出過ぎた結果、血糖値が急に下がり過ぎて低血糖を引き起こします。この病気は診断が難しいため、うつ病や統合失調症と間違われやすいという特徴があります(身体因性偽神経症)。
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